八尾の家(やつおのいえ)の再生
古民家改修 リノベーション- 平屋
- 40坪以上
- 日本瓦葺き
- 焼杉外壁
八尾の家(やつおのいえ)の再生
物件概要
- 所在地
- 観音寺市大野原町
- 構造
- 木造(在来軸組工法)
- 延床面積
- 170.86㎡(51.77坪)
地元では八尾の家(やつおのいえ)と呼ばれる美しい屋根構成を持つ典型的民家住宅。
新しいご希望の間取りに応じた耐震設計を行う上でまず、増築によって作られていたコンクリートブロック造の浴室と洗面所の部分は、地震発生時危険であるため撤去し、新たな間取りを再構築しました。
寝室近くにも新たに広い洗面と便所を用意し、高齢のお母さまの生活にもやさしい間取りと動線計画を提案しました。
耐震診断を実施し、白蟻の被害に対策するものとして、切り石土台存置のままの総基礎コンクリートをほぼ大部分にわたって設置し、耐力壁により発生する力を総基礎にアンカーする設計としました。
さらに、もともと桁行方向、梁間方向ともに広がる広縁をもつ十帖の二間続きの間取りであり、耐力壁にすべき壁が特に桁行方向に少ないため、重心と剛心のバランスが成立していませんでした。そのためどうしても開口部を増設する必要がありましたが、できるだけ広縁隅角部分の開放性を損なわないように耐力壁を目立たないところに配置しました。
初調査時にこの家にも表れていた日本家屋の伝統的特徴、水平方向への開放性、水平方向への風と光の流れ、という元々の美しさが、そのまま再現されるように心がけました。また経年を受けて今まさに、古色ビンテージに仕上がりつつあるという古民家に内在するポテンシャルを最大限生かすよう、建具の配置、床、壁、天井の素材などを吟味しました。