木を循環させる
森を守りたい
木は、再生し循環できるとても優れた素材です。古材を再び家づくりに活かすこともできますし、最終的に燃料として利用すれば化石燃料の消費を抑えることができます。人工林は計画的な間伐など人の手が入ることにより、森林の健全な生態系を維持することができます。わたしたち菅組は、「伐採する」「使う」「再利用する」「使い切る」「植える」という循環を企業としての取り組みのなかで実践しています。
伐採する
香川県産ヒノキが育つ、美しい森へ
毎年秋、「香川県産ひのき」が育つ仲南町(現まんのう町)の森で、「大黒柱伐採ツアー」を開催しています。讃岐山脈の中腹にある森は、県下では数少ない専業林業家さんが管理している美しい森です。
ツアーには家を新築するご家族だけでなく一般見学者も参加でき、香川の森林や林業の現状に触れながら、新しい家の大黒柱となる木を伐採します。均等に太陽の光がふりそそぐよう、林業家さんが丁寧に間伐しながら手入れした山に入り、目の前で樹齢80年ほどのひのきが伐採される時などは、その迫力に大歓声があがります。雨量の少ない香川県では、ひのきは長い時間をかけて成長します。そのため年輪が均等で詰まっていて、歪みが少ないのが特徴です。ひのきは加工もしやすいので、住宅の建材として優れた特質を持っているのです。
毎年、多くの方からの好評をいただいている「大黒柱伐採ツアー」。林業家、製材、加工、大工さん…多くの人と関わることで、自分の家が近くの山につながっているという実感が得られる貴重な機会でもあります。そしてこの活動を通して、山に光を届けることができればと思っています。
使う
香川県産材での家づくり
菅組では、できるだけ近くの山の木を使って家を建てることを提案しており、四国の木や香川の木を使うことをおすすめしています。
古くからマツを中心に植林していた香川県。ですが、昭和40年代後半に起きたマツクイムシによる被害をきっかけに、ひのきを中心とした植林が行われるようになりました。
その結果、香川県産材の成長は他県に比べ15年ほど遅れていますが、雨の少ない気候でゆっくりと育つひのきは歪みが少なく、建材用にも加工しやすいという優れた特質を持っています。
菅組ではその香川県産ひのきを積極的に家づくりに取り入れています。同じ香川の地で育った樹木は、「家」に生まれ変わっても、気候にしっくりと馴染み、その土地にどっしりと根付きます。
使い切る
薪ストーブショールーム「グランビル四国」
役目を終えた木は薪として、最後の最後まで大切に使うことを考え、薪ストーブを提案します。他のパッシブソーラーの補助暖房としてもとても重宝します。
環境にもやさしく、炎のゆらめきに癒され、寒い冬は、心身ともにあたたかく包んでくれる薪ストーブ。古木里庫にあるショールーム「グランビル四国」では、クッキングストーブや美しいホーロー製の薪ストーブを揃え、空間から提案しています。薪ストーブとともに心地よい空間をぜひ体験してみてください。
植える
ふるさとの木を植える「鎮守の森Project(一坪鎮守、三本木鎮守)」
菅組では家を建てたお客様に、ふるさとの木である「シイ」「タブ」「カシ」の3本の苗木をプレゼントし、『三本木鎮守』と呼ばれる小さな森づくりを提案しています。この苗木は、地元の自然に根ざした木々で、常緑樹のため落葉も少なく、手入れの手間がかかりにくいのが特徴です。庭に3本の木を寄せ植えすれば、互いに育ち合いながら、家の周りに自然の豊かさを感じられる空間が広がります。
さらに、たった一坪ほどのスペース(畳2枚分)があれば、『一坪鎮守』という小さな森をつくることも可能です。この小さな森は、草木や生き物たちの住処となり、人と自然が共生する風景をつくり出します。こうした森が街中に広がることで、やがて生き物たちが自由に飛び交うネットワークが生まれ、地域全体がより豊かな自然環境に包まれていくことでしょう。
私たちは、お客様と共にこの取り組みを大切に育て、未来へとつなげていきたいと考えています。